自分の話はやめる
家出中の女の子と知り合うのが。
これほど淡白なものだったとは思わなかった。
Sにしても、とりわけ自分が変なことをしているとか、変わった事をしているという自覚はなくて、単純に眠れる場所を求めているという、それだけの気持ちみたいだった。
Sにしてみれば、自然な状態というところで、だから自分だけがドキドキしたり力を入れたりしてはいけないのだろう。
自分が変に大人のフリをして、家にはどれくらい帰っていないの?とか親も気にしているよといった説教みたいな感じで思われそうな助言は絶対にいけない。
そんな事は本人が最もわかっているはずだ。
人は理解していることをネチネチ言われると、どんな人だってイヤな気分になる。
だからそういった話題については聞かない事だ。
これこそが大人の振る舞いというのだ。
色々深く問いつめて不機嫌になられても厄介だしね。
セックスの約束まではしていなくても、自宅で眠らせてあげることは決定したことだ。
自宅にとまるという状況は確定しているのだから。
これより上の状態はもうないってところまで、話は進んでいるのだから相手を不機嫌にさせるようなことは確実に回避しなくてはいけない。
ということで、自宅に到着するまでは、ご飯おいしいねとか洋服かわいいねといったどうでもいい話をしてみた。
女の子が楽しそうならば問題なし。
なので、普通のネットサイトでの出会いとは逆に、自分のことを話した方がいいかもしれない。
普段なら自分の話題はあまり好ましく無いけど、家出中の女の子はベースとして自分の話はなるべくしたくない。
単純に一晩寝かせてくださいとそれだけだから、他の異性と知り合う所みたいに、退屈しのぎとか、ちょっと人恋しいとか、自分の女性の部分をみてもらいたいとかそういう気持ちは、家出中の女の子には皆無だ。
そうわかれば、これはそんなに大変じゃないなと感じた。
どこか昔を思い出させる感情かな。
うちに泊まりにおいでよって、小学校の時みたいだね。